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 File.024
備前焼と茶の湯(グルノーブル・アルプ大学)
2017.10.25 グルノーブル市

-平成29年度国際交流基金助成プログラム-


【1日目】17時00分~20時30分

グルノーブル大学における講義は昨年の茶道・鎌倉彫の講義に続いて3回目の開催となりました。今年度は備前焼をテーマに行い、この作品を用いた形による茶道のデモンストレーションを実施しました。

在リヨン領事事務所より江頭海咲副領事をお迎えして冒頭のご挨拶を賜り、この後に備前焼桃溪堂・木村英昭による備前焼の講義と製作工程の紹介、続いて森宗勇による解説の下、森美枝による茶箱点前によるデモンストレーションと、森宗勇による茶道に関する講義を行った。演台右手には中宮寺の日野西光尊門主による掛物を示し、茶道に関する講義の中で、この軸にまつわる季節感のお話と説明を行った。
講義の後は、備前焼、茶道ともに質疑応答のコーナーを設け、希望者に対して呈茶(抹茶の試飲)を募ったところ、限界定数(100名分)を超える応募があり、抹茶を体験したい学生らによる長蛇の列ができた。 この折の抹茶については、株式会社青松園様よりご提供をいただいた鵬雲斎大宗匠お好みの抹茶を用い、お菓子についてはTORAYA PARIS様より提供いただいた羊羹をそれぞれ無料で提供した。

講義の教本として製作した小冊子(無償配布)は、日仏対訳となっており、仏語訳については、同学の学生が日本語教育の授業における一環として携わっていただいたもので、翻訳の一部は講演の原稿としても活用させていただいた。
備前焼に関する資料は、備前焼協同組合の監修による仏語訳、日本語版を採用し、これを転載している。また、茶道に関する資料は、茶道裏千家の教本及び淡交社の茶道六カ国語辞典などを参考に掲載した。

聴講者は冊子の配付数を根拠として約120名を数えた。
グルノーブル大学における2日目午前の講義は木村英昭による備前焼をテーマに行いました。1日目の夜間に行った講義では備前焼の概略に留めた話をしましたが、この部ではさらに奥まった内容で講義を進めました。
 今年日本遺産に登録をされた備前焼でもあることから、備前焼そのもの成り立ちにかかわる歴史と、その伝承についてを紹介、さらに現在における備前焼の役割や宮中で用いられている実例などを挙げ、遠く1万年以上の歴史を持つわが国でも最も古い焼き物の一つであることを解説いたしました。



【2日目午後】10時30分~12時30分
備前焼についての講義  講師:木村英昭 聴講生60名


2日目の備前焼の講義では、前日の備前焼の概要からより深く、画像を観ながら説明させていただきました。備前市がどこにあるか?備前焼のルーツは?どのような背景で発展していったのか?備前焼はどのような土で、どのような焼き方で?なぜそのような色合いになるのか?など化学的な過程も踏まえながら講義をいたしました。

後半は持参しました作品を参考に観ていただき、実際手に触れていただき、備前焼を感じてもらいました。




【2日目午後】14時30分~16時30分
茶道とお菓子についての講義  講師:森 宗勇   特別講師:髙木康裕シェフ

2日目午後の講義、2つのパートに分けて行いました。
1つ目のパートは、茶道についての集中講義として実施しました。
1日夜の部では主に抹茶の伝来にかかわる歴史の紹介と、茶箱による簡易なデモンストレーションを行ってきましたが、この部では抹茶の製法についての紹介から、薄茶と濃茶の違いについて説明を行い、そのうえで濃茶の点前についてデモンストレーションを行いました。

当会では2013年から同種の事業を行ってきましたが、その多くは立礼式による点前が中心であったため、濃茶を紹介する機会がありませんでした。

今年は壇上に点前座を設けて濃茶を行うこととし、聴講生より公募した学生を壇上に座らせて連客とし、約15分間のデモンストレーションンを行いました。
濃茶点前の最中は写真撮影は可としましたが、私語は禁止とし、サイレントな空間を保つように指示をしました。そのうえで点前中の動作については正面のスクリーンうえで文字表示を行い、「現在何を行っているのか」が明確となるよう工夫を行いました。

2つ目のパートは、お菓子と抹茶の取り合わせについてをテーマに取り上げました。
リヨン郊外の辻調理学校フランス校を卒業され、千葉県船橋市を基盤に活躍をされている著名なパティシエ・高木康裕氏に同道をいただき、氏が手掛けているチーズケーキを抹茶に合わせるという試みを行いました。
茶道といえば和菓子という考えが定着していますが、和菓子の入手が難しいフランスに於いては、やはり地産の物を使っていただくことも茶道の楽しみのとしていただきたく、初日の講義ではトラヤフランス様の和菓子を用いた伝統的な茶道の姿をお見せしたうえで、比較をしていただけるよう、この企画を試みました。(従いまして、2日目の講義参加資格者は1日目の参加者を対象としています)

髙木シェフが手掛けられるチーズケーキは、フランスの国民的チーズの一つであるKiri社のチーズをベースに用いられており、首都圏においても遠方地から買い求める客がいるほどに非常に人気のある洋菓子となっており、船橋市のブランド協議会に於いても認定品とされています。

日本で売られる洋菓子ということから、コーヒーより日本茶に合うチーズケーキというコンセプトを持っており、こうした見地により今回の講義で採用をさせていただくこととなりました。

聴講生であるフランス人学生にも大変好評で、チーズケーキが抹茶と合うことはもちろんのこと、自国の地産の物を使って抹茶を楽しんでいただくという私たちの提案が高く評価いただけたことは、非常に効果ある企画であったと考えております。

(共催) グルノーブル・アルプ大学
(後援)千葉県船橋市・岡山県備前市・船橋市教育委員会・備前市教育委員会
(協賛)国際交流基金様・日本航空㈱様・TORAYAPARIS様・髙木商事(ENTREE)㈱様・新宿青松園様
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